春を告げる花
まだまだ厳しい寒さが続く中、いち早く蕾を付け始める梅の花。
その蕾がふくらみ始めたら、少しづつ春が近づいていることを感じます。
そんなことから梅の花には春告草(はるつげぐさ)という別名があります。
そのほかにも匂草(においぐさ)、香散見草(かざみぐさ)、風待草(かぜまちぐさ)、香栄草(こうばえぐさ)、花の兄(はなのあに)、初名草(はつなぐさ)と色々な別名がありますが、
花の香りがとてもかぐわしいことから
香りに関する名前がついているのも素敵ですね。
・縁起の良い花
梅の花は寒い冬でも花をつける強さから縁起物とされてきました。
ほかの花よりも早く咲くことから「百の花に先駆けて咲く」と言われます。
寒い冬に耐えながらいち早く美しい花を咲かせ、
始まりの季節とされる春を告げるのが梅の花です。
・花言葉
梅の花言葉には「忍耐」「上品」「高潔」「忠実」などがあげられます。
由来は、寒さが厳しい季節に凛と咲きほこる気品のある姿からとされていますが、
「忠実」の花言葉はある有名な伝説からもきています。
・飛梅伝説
今は学問の神様とされる菅原道真は平安時代の貴族だったころ、
その豊かな才を疎まれ都から太宰府に左遷されます。
大宰府に旅立つ日、大切に育ててきた梅の木との別れを惜しんで
「東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」
ー春になったら香りを風にのせて大宰府まで送り届けておくれ、梅の木よ
私がいないからといって、春を忘れてはならないよー
という歌を詠んだ菅原道真。
そしてその梅の木もまた主を慕い、道真公を追って一夜にして京の都から
九州の大宰府まで飛んで行ったとされています。
そのことから「飛梅とびうめ」という名がついた梅の木は
現在も太宰府天満宮でご神木して、人々に愛されています。
梅の花に春の訪れを感じながら、そんな一途な梅に思いを馳せてみるもの
良いものですね。